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ドラッカーと一倉定、そしてネクスト・ソサエティ その3

2011.11.05(00:01) 928

前回は、日本の中堅、中小企業は一倉定さんの「社長学」を参考にすると良いとお話ししました。

ただし、一倉理論にも弱点といいますか、考慮しなければならない点があります。

それは、一倉定さんの経営理論は“インフレ”時代のものだということです。

確かに不況期の経営についてのアドバイスはたくさんあるのですが、今の日本のようなデフレ”環境の元で書かれたものではありません。

これは一倉さんの著書に限らず、デフレ時代に成功する経営方法を、ある程度まとめて理論立てしたものというのは、まだないのではないでしょうか(ユニクロの柳井社長のようにデフレ時代に成功した人の自伝的な書物はあります)。

現代の経済学や経営学、ビジネス論はインフレ時代に作られたものです。デフレに対応し体系化され、かつ成果を上げた経営理論というのは、まだ現れていないと思います。

インフレを前提にしてビジネスを考えるのと、デフレを前提に考えるのとでは、真逆になります。

それゆえ、一倉定さんの著書に限らず、経営に関する理論書を読むときには、著者が経済基調をインフレかデフレのどちらを前提にして書いているのかを注意しなければなりません。

これが一点です。


それから、もう一点。

一倉理論では「社長」のみに重点が置かれ、社員を軽視しているところがあります。会社は社長一人で決まるから、社員はほとんど「どうでもいい」存在と見なされています。

ここはドラッカーと対照的です。ドラッカーは、教育の大切さや知識の大切さを述べていますし、社員の“強み”を活かす人事を薦めています。

ところが、一倉定さんは「社員は、さぼるものだ。人材は社内にはいない。できるやつは自分で社長になっている。人材待望論は間違いである。」という感じですね。

ある意味、マキアベリズムからいくと一倉さんの意見は真実なのかもしれません。

しかし、社員に素晴らしい人材はいますし、社員の強みを活かすというドラッカーの発想の方が「組織として戦える」ので、私はドラッカーの意見の方が正しいと思っています。

ただ一倉さんが言いたかったことを推察しますと、社長は「社員に頼るな」ということだと思います。社員の中に人材を探して、会社を何とかしてもらおうと思うのではなく、経営トップである社長が何とかしろ!ということなんでしょう。

「経営に対する厳しい姿勢、命をかける気持ちが社長になくてどうする!」というのが一倉さんの思いだと私は推察しています。

<続く>
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