経営者の方にとって近未来の予測は必要なものだと思います。しかしながら、P.F.ドラッカーさんは「未来は知りえない」と、そして「(未来の予測は)人間にできることではない。」と断言していますね。
ただし、「すでに発生したことの未来における影響を見通すことはできる」として、「すでに起こった未来を予期すること」を薦めています。
そこで、当ブログでは、なるだけ「すでに起こった未来を予期する方法」で、様々な予測を立ててみたいと思います。
今回は中国がテーマです。
経済発展が著しいと言われている中国ですが、実際のところはどうでしょうか?
私には、中国は崩壊への道を進んでいるようにしか見えません。
その根拠を、いくつかのデータを提示しながら説明をします。
1.都市部の労働者の45%は年金未加入。農村部では89%が未加入である。
これは、中国の「人的資源・社会保障事業発展統計公報」(08年版)のデータなのですが、3億人超の都市部労働者の内、45%が“養老保険”(中国の年金の名前)に入っていません。また、農村部労働者は約5億人いるのですが、その内89%が養老保険に入っていないのです。
大変な数字だと思われませんか?これ日本だったら大変な問題ですよね?
2.中国は、2030年には高齢化比率が日本を抜き世界一になる。
中国社会科学院財政・貿易研究所が2010年に発表した内容では、中国は2030年に65歳以上の人口の割合が日本を抜き世界一の高齢社会になると予測されています。年金が整備されていないだけではなく、世界最速で高齢化社会へと向かっているのが中国なのです。
それだけではありません。
3.中国の国民一人当たりの平均所得額は、年間3千ドル(約24万円)である。
08年データによる年間可処分所得で見ますと、都市部住民一人当たりは約20万円、農村部では6万円です。月ではありません、年間の可処分所得です。
日本だと09年データでは世帯一人当たり171万円あります(世帯当たりだと443万円です。平成20年国民基礎調査より)。
上海には、4年前と3年前くらいに行きましたが、物価は日本に比べて安いとは思えませんでした。豊かな人もたくさんいるとは思うのですが、中国のほとんどの国民が上海クラスの都市では生活ができないのではないでしょうか。
以上をまとめますと、「未整備の社会保険制度にも関わらず、日本よりも高齢化が進んでいるが、それを補う国民の所得はあまりない」ということになります。
このようなデータを見て、順調に発展している国だと思えるでしょうか。
4.インフレの懸念
更に、中国国際金融が5月9日に、4月の中国のインフレ率が対前年比5.4%になった模様だと発表しました。
インフレはお金(人民元)の価値が落ちることです。しかし、原油価格は世界共通なので、国内のお金の値打が下がる分、輸入物価は上がって行くことになります。水を輸入しているとしたら、飲料水の値段も上がって行きます。物価の急激な上昇(インフレ)は、上記のような所得水準の中国国民の生活を圧迫する可能性は高いと考えられます。
また中国の対外貿易は、加工貿易が半数を超えています。ハイテク製品でも、原材料を輸入し、独自の知的財産権を備えることなく、代理加工している製品がほとんどです。おそらく世界的な原材料高によって、加工貿易業にも打撃が来ると思われます。
こうした危険性をはらんだ国は、どちらの方向へ行くのか?
私達は歴史に学ばなければならないと思います。
参考にすべきは、ヒトラーのいたドイツです。
<続きは下記へ>
後編
ただし、「すでに発生したことの未来における影響を見通すことはできる」として、「すでに起こった未来を予期すること」を薦めています。
そこで、当ブログでは、なるだけ「すでに起こった未来を予期する方法」で、様々な予測を立ててみたいと思います。
今回は中国がテーマです。
経済発展が著しいと言われている中国ですが、実際のところはどうでしょうか?
私には、中国は崩壊への道を進んでいるようにしか見えません。
その根拠を、いくつかのデータを提示しながら説明をします。
1.都市部の労働者の45%は年金未加入。農村部では89%が未加入である。
これは、中国の「人的資源・社会保障事業発展統計公報」(08年版)のデータなのですが、3億人超の都市部労働者の内、45%が“養老保険”(中国の年金の名前)に入っていません。また、農村部労働者は約5億人いるのですが、その内89%が養老保険に入っていないのです。
大変な数字だと思われませんか?これ日本だったら大変な問題ですよね?
2.中国は、2030年には高齢化比率が日本を抜き世界一になる。
中国社会科学院財政・貿易研究所が2010年に発表した内容では、中国は2030年に65歳以上の人口の割合が日本を抜き世界一の高齢社会になると予測されています。年金が整備されていないだけではなく、世界最速で高齢化社会へと向かっているのが中国なのです。
それだけではありません。
3.中国の国民一人当たりの平均所得額は、年間3千ドル(約24万円)である。
08年データによる年間可処分所得で見ますと、都市部住民一人当たりは約20万円、農村部では6万円です。月ではありません、年間の可処分所得です。
日本だと09年データでは世帯一人当たり171万円あります(世帯当たりだと443万円です。平成20年国民基礎調査より)。
上海には、4年前と3年前くらいに行きましたが、物価は日本に比べて安いとは思えませんでした。豊かな人もたくさんいるとは思うのですが、中国のほとんどの国民が上海クラスの都市では生活ができないのではないでしょうか。
以上をまとめますと、「未整備の社会保険制度にも関わらず、日本よりも高齢化が進んでいるが、それを補う国民の所得はあまりない」ということになります。
このようなデータを見て、順調に発展している国だと思えるでしょうか。
4.インフレの懸念
更に、中国国際金融が5月9日に、4月の中国のインフレ率が対前年比5.4%になった模様だと発表しました。
インフレはお金(人民元)の価値が落ちることです。しかし、原油価格は世界共通なので、国内のお金の値打が下がる分、輸入物価は上がって行くことになります。水を輸入しているとしたら、飲料水の値段も上がって行きます。物価の急激な上昇(インフレ)は、上記のような所得水準の中国国民の生活を圧迫する可能性は高いと考えられます。
また中国の対外貿易は、加工貿易が半数を超えています。ハイテク製品でも、原材料を輸入し、独自の知的財産権を備えることなく、代理加工している製品がほとんどです。おそらく世界的な原材料高によって、加工貿易業にも打撃が来ると思われます。
こうした危険性をはらんだ国は、どちらの方向へ行くのか?
私達は歴史に学ばなければならないと思います。
参考にすべきは、ヒトラーのいたドイツです。
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後編
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