
TBSテレビ 日曜劇場『VIVANT』が9月17日の日曜日に最終回を迎えます。
いろいろな伏線や謎がどう解かれるのかというところですが、私はスタンダールの『赤と黒』が基本になっているのではないかと思っています。
スタンダールの『赤と黒』では、上流階級に憧れる主人公の”ジュリアン”が、ずば抜けた頭と美貌によって、上流階級の女性を虜にするのですが、自分のことを思ってくれる人によって徐々に人間性を取り戻していく物語です(詳しい内容は書きません)。
ジュリアンは、夜まで生きない”かげろう”になぞらえて、夜を知らないかげろうのように、自分は「愛を知らないかげろうだ」と独白するシーンがあります。
この内容は乃木が言っていたこととかぶりますので、憎しみではなく、愛によって人間性を取り戻していくことが『VIVANT』の根底に流れているテーマなのではないかなと推察しています。
乃木は別班隊員を殺していませんでした。また、第9話の最後にノゴーン・ベキの質問に正直に答えています。
任務のために本当は射殺しなければならなかったはずなのに、リスクを犯しながらも、それをしなかったことにノゴーン・ベキは感心するのかもしれません。
つまり、目的のためだったら何をやってもいいのではなく、超えてはいけない一線を乃木は父に見せたのでしょう。
テントは子供たちのためとはいえ、テロ活動を請け負っていました。
目的は孤児を救うという尊いものだったのに、いつの間にかテロまでやってしまって、孤児を増やすことをやってしまっていたのです。
目的のために手段を選ばなかったことをノゴーン・ベキは恥じるのではないでしょうか。
ノゴーン・ベキは、息子に撃たれるようにわざと仕向けるか、乃木家代々に伝わる小刀で自死するかだと思います。
スタンダールの『赤と黒』の主人公のように、精密機械のような乃木は愛によって人間性を取り戻していくのでしょうけれども、それは乃木だけではなく、父親のノゴーン・ベキもだと思います。
そうなると、薫が裏切る説は違うのかなとなるのですね。
薫が玉子焼きを焼いているシーンを動画に撮っていましたが、それをノゴーン・ベキは見て、妻の明美を思い出すのではないでしょうか。
薫が、乃木とノゴーン・ベキの人間性を取り戻していくキーパーソンだと仮定すると、裏切る説はないのかなと思います。
(以前のブログでは、薫を『ルパン三世』の峰不二子や『24』のニーナになぞらえていたので、裏切るかなと予測していました。薫はテントの関係者なのでしょうけど、アディエルと同じように、テロにかかわっているのではなく、医者として面倒を見ているだけかなと思います)
まぁ、いろいろと考察しましたけど、結末を楽しみにしましょう!

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