ザ・ビートルズ『アビーロード』50周年記念リミックス版の全曲感想の6です。今回が感想の最終回になります。
14.ゴールデン・スランバー Golden Slumbers
ここから、メドレーの後半になる。「1分31秒」の曲なので、未完成の作品のような響きがあるが、単独でもドラマチックであるし、心を揺さぶる曲になっている。ジョージ・マーティンのオーケストラのアレンジが上品で素晴らしい。『アビーロード』メドレーの格をこの1曲で上げているだろう。
ポールのピアノ弾き語りは、ビートルズ感動パターンの王道(笑)であるけれども、リンゴのドラムを合図にサビからのポールの力強いボーカルとメロディが圧巻である。たった「1分31秒」の曲でここまでドラマチックな曲に仕上がっているのが凄すぎる。
リミックス版は、オリジナルリマスター版に比べて、ポールのボーカルが前に出ているように思う。とても聴きやすいのでお薦め。
15.キャリー・ザット・ウェイト Carry That Weight
コーラスで、こんなにリンゴの声が目立つものがあったっけ?
リンゴがいい味を出して、『アビーロード』メドレーのクライマックスを演出している。
この曲にはジョンは参加していないらしい。最後のコーラスにはジョンも参加してほしかったなぁ。ジョンの分までリンゴが頑張っているということだろう。
『ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー』のメロディを繰り返しているところは、悲しい響きに聞こえる。重荷を背負っていく悲しさなのか?
リミックス版とリマスター版の違いは大きく感じない。
16.ジ・エンド The End
メドレーの最後を『ジ・エンド』で飾るところに、ポールのセンスが光る。詩もシンプルだけど、普遍的で素晴らしい。
この曲には、ジョンも参加したようだ。ギターソロでは、さすがジョンらしく、個性が一番際立っている。
リンゴのドラムソロ、ポール、ジョージ、そしてジョンのギターソロと、4人全員がソロを弾いてビートルが揃い踏みしたけれど、やっぱりここはポールが主役かな(笑)。
ポールが主導権を持っていたから、『アビーロード』という名盤ができあがった。未完成の曲を集め、それをメドレーにしたポールのアイディアは凄いし、それをトータルで良いアルバムにしたのは驚きだ。それとジョージ・マーティンの手腕も光っている。
当時、仮にジョンにやる気があって、ジョンが主導権を持っていても、『アビーロード』のようなアルバムを創ることはできなかったと思う。それは、ジョンがダメとかではなく、ジョンがポールとタイプが違うからである。
私が思うに、ジョンはメッセージを直情的にメロディに載せたり、時にはメッセージをユーモラスに、あるいは誰も思いつかないような作風で表現することがうまい。一方、ポールは、曲の構成を考えたり、アルバム全体のバランスを考えるのが得意だという印象だ。
戦争で例えるなら、「ジョン・レノンは戦術の天才、ポール・マッカートニーは戦略の天才」である。
アルバム全体を構想できる戦略家のポールが主導権を持っていたからこそ、『アビーロード』が整った。
でも、ロックバンドは人間の集合体である。
ザ・ビートルズの後期のリーダーがジョンからポールに代わっていくことで、複数の名盤が生まれた。しかし、同時にバンドのバランスが変わり、解散への道にもなった。これは、ポールのせいでビートルズが解散したということではなく、チームリーダーの変化が、パワーバランスの変化を呼び、バンドに揺らぎを起したのである。
ザ・ビートルズが解散して、『レット・イット・ビー』以降、ザ・ビートルズの新曲を聴けなくなった人類は、長い間、重荷をしょっていくことになった(Carry that weight,a long time)。
でも50年経ってリミックス版が出ることによって、オリジナル版とは違った新しい『アビーロード』が聴けるところに今来ている。
もう重荷を下ろすときだろう。
さぁ、日が昇る!(Here Comes The Sun)。一緒に行こう!(Come Together)。新しいビートルズがここにいる。
あなたが受ける愛は、あながた与えた愛に等しくなるのだ(The love you take is equal to the love you made)
ザ・ビートルズ『アビーロード』の全曲感想は、これでジ・エンド。

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14.ゴールデン・スランバー Golden Slumbers
ここから、メドレーの後半になる。「1分31秒」の曲なので、未完成の作品のような響きがあるが、単独でもドラマチックであるし、心を揺さぶる曲になっている。ジョージ・マーティンのオーケストラのアレンジが上品で素晴らしい。『アビーロード』メドレーの格をこの1曲で上げているだろう。
ポールのピアノ弾き語りは、ビートルズ感動パターンの王道(笑)であるけれども、リンゴのドラムを合図にサビからのポールの力強いボーカルとメロディが圧巻である。たった「1分31秒」の曲でここまでドラマチックな曲に仕上がっているのが凄すぎる。
リミックス版は、オリジナルリマスター版に比べて、ポールのボーカルが前に出ているように思う。とても聴きやすいのでお薦め。
15.キャリー・ザット・ウェイト Carry That Weight
コーラスで、こんなにリンゴの声が目立つものがあったっけ?
リンゴがいい味を出して、『アビーロード』メドレーのクライマックスを演出している。
この曲にはジョンは参加していないらしい。最後のコーラスにはジョンも参加してほしかったなぁ。ジョンの分までリンゴが頑張っているということだろう。
『ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー』のメロディを繰り返しているところは、悲しい響きに聞こえる。重荷を背負っていく悲しさなのか?
リミックス版とリマスター版の違いは大きく感じない。
16.ジ・エンド The End
メドレーの最後を『ジ・エンド』で飾るところに、ポールのセンスが光る。詩もシンプルだけど、普遍的で素晴らしい。
この曲には、ジョンも参加したようだ。ギターソロでは、さすがジョンらしく、個性が一番際立っている。
リンゴのドラムソロ、ポール、ジョージ、そしてジョンのギターソロと、4人全員がソロを弾いてビートルが揃い踏みしたけれど、やっぱりここはポールが主役かな(笑)。
ポールが主導権を持っていたから、『アビーロード』という名盤ができあがった。未完成の曲を集め、それをメドレーにしたポールのアイディアは凄いし、それをトータルで良いアルバムにしたのは驚きだ。それとジョージ・マーティンの手腕も光っている。
当時、仮にジョンにやる気があって、ジョンが主導権を持っていても、『アビーロード』のようなアルバムを創ることはできなかったと思う。それは、ジョンがダメとかではなく、ジョンがポールとタイプが違うからである。
私が思うに、ジョンはメッセージを直情的にメロディに載せたり、時にはメッセージをユーモラスに、あるいは誰も思いつかないような作風で表現することがうまい。一方、ポールは、曲の構成を考えたり、アルバム全体のバランスを考えるのが得意だという印象だ。
戦争で例えるなら、「ジョン・レノンは戦術の天才、ポール・マッカートニーは戦略の天才」である。
アルバム全体を構想できる戦略家のポールが主導権を持っていたからこそ、『アビーロード』が整った。
でも、ロックバンドは人間の集合体である。
ザ・ビートルズの後期のリーダーがジョンからポールに代わっていくことで、複数の名盤が生まれた。しかし、同時にバンドのバランスが変わり、解散への道にもなった。これは、ポールのせいでビートルズが解散したということではなく、チームリーダーの変化が、パワーバランスの変化を呼び、バンドに揺らぎを起したのである。
ザ・ビートルズが解散して、『レット・イット・ビー』以降、ザ・ビートルズの新曲を聴けなくなった人類は、長い間、重荷をしょっていくことになった(Carry that weight,a long time)。
でも50年経ってリミックス版が出ることによって、オリジナル版とは違った新しい『アビーロード』が聴けるところに今来ている。
もう重荷を下ろすときだろう。
さぁ、日が昇る!(Here Comes The Sun)。一緒に行こう!(Come Together)。新しいビートルズがここにいる。
あなたが受ける愛は、あながた与えた愛に等しくなるのだ(The love you take is equal to the love you made)
ザ・ビートルズ『アビーロード』の全曲感想は、これでジ・エンド。

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