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『現代の経営』の人材育成とプロ野球 4 

2018.01.23(22:04) 1957

人材開発について、連載してきました。最後に、ドラッカーの『ネクスト・ソサエティ』(上田惇生訳、ダイヤモンド社)から引用をして、人材開発のまとめにしたいと思います。

私はプロ野球を例に話を進めてきました。

ドラッカーは、知識を基盤とする企業にもっとも似た組織がオーケストラだと言っています。

そこで、企業のマネジメントの立場と同じ者として、オーケストラ指揮者について、次のように述べています。

優れた指揮者は、各演奏者、各パートとの接触を深める。雇用関係は与件であって、メンバーは変えられない。したがって、成果をあげるのは指揮者の対人能力である。

企業の幹部たる者は、オーケストラの指揮者ならば当然のこととしていることを知らなければならない。優れた組織をつくりあげる鍵は、働き手の潜在能力を見つけ、それを伸ばすことに時間を使うことである。



ここで、マネジメントは、社員の潜在能力を伸ばすことに時間を使えということが語られています。


世界一流のオーケストラをつくるには、第一クラリネット奏者が指揮者の望む演奏ができるまで、一緒に何度も同じ楽節をリハーサルすることである。同じことは、企業内研究所の研究部長が行うべきことである。


プロ野球でも、コーチが付きっきりでバッティング練習や守備練習をしていますね。

それこそ、コーチは相当な時間を選手に使っています。

マネジメントは、社員の強みを知り、自分のことも知ってもらわなければなりません。また、社員を導き、励まし、高い目標に目を向けさせ、仕事に挑戦させなければならないのです。


なかなか人が育たないという悩みを持った管理職者の人はたくさんいるでしょう。

では、社員の人材育成にあなたはどれだけの時間を使っていますか?

1週間、1か月、半年、1年と、どれだけの時間を使ったでしょうか?

人材の配置に関して、どれだけの時間を使って考えましたか?

これらの時間が少ないのならば、おそらく人材育成はうまくいっていないはずです。

「そんなん、人に割ける時間なんて、あるかい!」と思われたかもしれませんね。

しかし、知識社会では、成果をあげるのは知識労働者です。

企業の成功だけではなく、存続の鍵を握っているのも知識労働者です。

すなわち、知識労働者の人材育成が、企業の存続の鍵なのです。

だったら、それに時間を使うことが一番優先順位が高いということになりませんか?


いろいろと述べましたが、オーケストラのリハーサルはなかなか見る機会はないと思いますので、プロ野球の練習を思い出していただき、「付きっきりで練習をすることを我社に当てはめたら、どうなるのだろうな」と考えていただくといいと思います。

ただし、動機付けとなる高い基準の仕事を求めることがないと、ただのシゴキになりますので、気をつけてください(笑)。

<了>
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