昨年のメジャーリーグでは、ヒューストン・アストロズがワールドシリーズを制覇しました。ヒューストン・アストロズは、近年シーズン100敗をするような弱者だったのですが、そのチームが革命を起こし、メジャーリーグの頂点に立ったのです。
このヒューストン・アストロズの革命は、知識社会における経営の参考になるところがあります。
まず、アストロズのGMは、野球以外の専門家を招集しました。数学者、物理学者、統計学者、コンピューターの専門家です。つまり、知識労働者ですよね。野球を専門外とするテクノロジスト(知識労働者)を集めて、野球の試合に勝てるサポートをさせています。
ここで大事なことは、情報を必要としている人(この場合は、GMであり、最終的には現場の監督・コーチと選手)が、どのような情報が、どのような形で、どのタイミングで必要かをテクノロジストへ指示していることです。
野球以外の専門家を呼んできても、彼らは野球に勝つために何をすれば良いかわかりません。ですから、情報を必要とする側(指示する側)が、どのような情報がどのような形で必要かを伝えて、その作り方についてはテクノロジストに任せるのです。
逆にテクノロジストの側は、そうした情報を形づくるには、どういったデータが、どのタイミングで必要かを指示する側に伝えます。
こうしたやり取りが知識社会での仕事のやり方になります。
例えば、アストロズのGMは、選手に対し「ボールのコースと、きわどいコースは見送って、我慢しろ」と指示しています。それはボール球を打ってもいい打球はいかないし、相手投手を助けます。確かにきわどいコースはストライクと言われる可能性がありますが、それでも我慢して「難しい球は振るな!」と指示しているのですね。
では、それを選手が実行しているかを何かで測らなければなりませんよね。
そういう場合に、テクノロジスト(数学者や統計学者)に「それらを評価するものがほしい」と依頼して作ってもらうわけです。そして、テクノロジストは、投手の投げた高低・コース、場面、相手投手、アンパイアなどのデータが必要だとかを球団に要望します。
方向性や欲しい情報がどのようなものかを出すのは、会社側(マネジメント側)です。専門家ではありません。
ただし、専門家を雇っているからといって上から目線で見るのではなく、専門家に対し敬意を持つことが大切です。
知識労働者は自分の仕事に誇りを持っているので、パートナーとして接してください。
次回はフライボール革命について書きます。
<続く>
このヒューストン・アストロズの革命は、知識社会における経営の参考になるところがあります。
まず、アストロズのGMは、野球以外の専門家を招集しました。数学者、物理学者、統計学者、コンピューターの専門家です。つまり、知識労働者ですよね。野球を専門外とするテクノロジスト(知識労働者)を集めて、野球の試合に勝てるサポートをさせています。
ここで大事なことは、情報を必要としている人(この場合は、GMであり、最終的には現場の監督・コーチと選手)が、どのような情報が、どのような形で、どのタイミングで必要かをテクノロジストへ指示していることです。
野球以外の専門家を呼んできても、彼らは野球に勝つために何をすれば良いかわかりません。ですから、情報を必要とする側(指示する側)が、どのような情報がどのような形で必要かを伝えて、その作り方についてはテクノロジストに任せるのです。
逆にテクノロジストの側は、そうした情報を形づくるには、どういったデータが、どのタイミングで必要かを指示する側に伝えます。
こうしたやり取りが知識社会での仕事のやり方になります。
例えば、アストロズのGMは、選手に対し「ボールのコースと、きわどいコースは見送って、我慢しろ」と指示しています。それはボール球を打ってもいい打球はいかないし、相手投手を助けます。確かにきわどいコースはストライクと言われる可能性がありますが、それでも我慢して「難しい球は振るな!」と指示しているのですね。
では、それを選手が実行しているかを何かで測らなければなりませんよね。
そういう場合に、テクノロジスト(数学者や統計学者)に「それらを評価するものがほしい」と依頼して作ってもらうわけです。そして、テクノロジストは、投手の投げた高低・コース、場面、相手投手、アンパイアなどのデータが必要だとかを球団に要望します。
方向性や欲しい情報がどのようなものかを出すのは、会社側(マネジメント側)です。専門家ではありません。
ただし、専門家を雇っているからといって上から目線で見るのではなく、専門家に対し敬意を持つことが大切です。
知識労働者は自分の仕事に誇りを持っているので、パートナーとして接してください。
次回はフライボール革命について書きます。
<続く>