⑩ ランチェスター戦略(弱者の戦略)
ランチェスター戦略の「弱者の戦略」である。もしかしたら、戦略的な経営手法の中で、中小企業が”実践で使える手法”はランチェスター戦略だけではないか。今ではメジャーな経営手法なので、知らない企業の方が少ないだろうが、万が一ランチェスター戦略を知らないということであれば、ものすごく大きな損失であると思われる。
ランチェスター戦略では、占有率が一位でない企業は全て「弱者の戦略」を取る。「弱者の戦略」とは、差別化戦略(セグメント思考)である。自社が勝てる範囲まで、地域、商圏を狭める。そして、製品やサービスの差別化を図る。「誰もが欲しがらないもの」がキーワードになる。
なお、ランチェスター戦略については、一倉定氏も活用していたし、現在でも様々な方が本を書いている。しかしながら、元は田岡信夫氏がランチェスター戦略を体系化されていて、他の方はそれを現代的に書かれているだけである(古賀注:参考にならないという意味ではない)。田岡信夫氏の著書に体系は書きつくされているので、ランチェスター戦略を学びたい方は、田岡信夫氏の著書を読んでいただくとよいのではないか。ドラッカー教授と同じで、時代背景の古い描写があっても、体系や内容は古さを全く感じない名著ばかりだと思う。
以上、簡単に「倒産を防ぐ経営手法」を10種挙げた。①から⑤は、支出を防ぐことに主眼を置いている。資金繰りが苦しい企業は早急に取り組むべき項目である。⑥から⑦は経営トップの計数管理に主眼がある。倒産する企業の経営トップは数字に弱い人が多い。計数管理ができるようになるために最低必要な数表を挙げておいた。⑨と⑩は販売強化やマーケティング戦略の核になる。
経営トップが知るべき知識を「支出を防ぐ」「計数管理」「マーケティング」の三分類でまとめたのだが、知らない知識があれば、自分で調べるか、知っている人に聴いて理解をしていただきたい。自分自身でその手法を使いこなすことができなくても、社員にやらせて、自分は管理していく方法も取れる。
こういう手法は知らないと思いつかないし、指示もできない。その企業特有の課題や問題に対し、知っておくべき経営知識は最低10種はあると思うので、知らないものは一つずつ学んでいただくと良いと思う。
その企業特有の問題に対する経営知識を説明したが、では、全企業の経営トップが知っておかなければならない経営知識とは何だろうか。
それは一言でいうと、「マネジメント」なのだが、それを分解すると4つのマネジメントの機能になる。
<続く>
※ この論考の著作権は、古賀光昭にあります。無断転載、使用を禁じます。
ランチェスター戦略の「弱者の戦略」である。もしかしたら、戦略的な経営手法の中で、中小企業が”実践で使える手法”はランチェスター戦略だけではないか。今ではメジャーな経営手法なので、知らない企業の方が少ないだろうが、万が一ランチェスター戦略を知らないということであれば、ものすごく大きな損失であると思われる。
ランチェスター戦略では、占有率が一位でない企業は全て「弱者の戦略」を取る。「弱者の戦略」とは、差別化戦略(セグメント思考)である。自社が勝てる範囲まで、地域、商圏を狭める。そして、製品やサービスの差別化を図る。「誰もが欲しがらないもの」がキーワードになる。
なお、ランチェスター戦略については、一倉定氏も活用していたし、現在でも様々な方が本を書いている。しかしながら、元は田岡信夫氏がランチェスター戦略を体系化されていて、他の方はそれを現代的に書かれているだけである(古賀注:参考にならないという意味ではない)。田岡信夫氏の著書に体系は書きつくされているので、ランチェスター戦略を学びたい方は、田岡信夫氏の著書を読んでいただくとよいのではないか。ドラッカー教授と同じで、時代背景の古い描写があっても、体系や内容は古さを全く感じない名著ばかりだと思う。
以上、簡単に「倒産を防ぐ経営手法」を10種挙げた。①から⑤は、支出を防ぐことに主眼を置いている。資金繰りが苦しい企業は早急に取り組むべき項目である。⑥から⑦は経営トップの計数管理に主眼がある。倒産する企業の経営トップは数字に弱い人が多い。計数管理ができるようになるために最低必要な数表を挙げておいた。⑨と⑩は販売強化やマーケティング戦略の核になる。
経営トップが知るべき知識を「支出を防ぐ」「計数管理」「マーケティング」の三分類でまとめたのだが、知らない知識があれば、自分で調べるか、知っている人に聴いて理解をしていただきたい。自分自身でその手法を使いこなすことができなくても、社員にやらせて、自分は管理していく方法も取れる。
こういう手法は知らないと思いつかないし、指示もできない。その企業特有の課題や問題に対し、知っておくべき経営知識は最低10種はあると思うので、知らないものは一つずつ学んでいただくと良いと思う。
その企業特有の問題に対する経営知識を説明したが、では、全企業の経営トップが知っておかなければならない経営知識とは何だろうか。
それは一言でいうと、「マネジメント」なのだが、それを分解すると4つのマネジメントの機能になる。
<続く>
※ この論考の著作権は、古賀光昭にあります。無断転載、使用を禁じます。