「正語」の二つ目は、役員、従業員、社員に対する「正しい言葉」である。
仏教的経営成功法で従業員に対する「正語」の基準には仏教思想の「四無量心」(しむりょうしん)のフレームワークを使う。
「四無量心」とは、慈・非・喜・捨(じ・ひ・き・しゃ)の四つのことであり、個々の説明は次のとおりである。
慈・・・他者の幸福を願う心
非・・・他者を不幸から救い出す心
喜・・・他者の幸福を見て満足すること
捨・・・他者を差別しないこと
この他者を「社員」なり、「従業員」に置き換えて、そうした思いで社員に接し、言葉を発するのである。
たとえば、社員の幸福を願って言葉を発する。それは「慈」の心であり、「愛語」でもある。
また、社員が間違ったことをしたときには教育的見地から、叱ることも必要になるが、それは社員を苦や不利益の状態から救い出す「非」の心である。相手が堕落しないように、失敗しないように「厳しい愛」もときには必要である。
社員が成功したり、幸せになったりしたら、嫉妬をすることなく、素直に祝福の言葉をかけてあげることは「喜」の心である。そして、社員を差別せずに公平に扱うことは「捨」の心である。
このように「四無量心」の思いを持ちながら、従業員に接していけば、自ずと言葉は正されてくる。経営トップは一日を振り返るときに、役員や社員に対し四無量心に反した言葉を発していなかったかをチェックすると反省しやすいだろう。
なお、この四無量心については、社員だけではなく、「お客様への心や気持ち」としても応用できる。上記四無量心の説明文の「他者」を「お客様」に書き換えると、そのままお客様への思いや接し方にすることができる。
また、「正見」や「正思惟」と違って、「正語」は言葉を振り返るので反省しやすい。反省修法が初めての人でも取り組みやすいので、八正道を難しく感じる方は「正語」から始めてみるのも一つの方法である。
<続く>
※ この論考の著作権は、古賀光昭にあります。無断転載、使用を禁じます。
仏教的経営成功法で従業員に対する「正語」の基準には仏教思想の「四無量心」(しむりょうしん)のフレームワークを使う。
「四無量心」とは、慈・非・喜・捨(じ・ひ・き・しゃ)の四つのことであり、個々の説明は次のとおりである。
慈・・・他者の幸福を願う心
非・・・他者を不幸から救い出す心
喜・・・他者の幸福を見て満足すること
捨・・・他者を差別しないこと
この他者を「社員」なり、「従業員」に置き換えて、そうした思いで社員に接し、言葉を発するのである。
たとえば、社員の幸福を願って言葉を発する。それは「慈」の心であり、「愛語」でもある。
また、社員が間違ったことをしたときには教育的見地から、叱ることも必要になるが、それは社員を苦や不利益の状態から救い出す「非」の心である。相手が堕落しないように、失敗しないように「厳しい愛」もときには必要である。
社員が成功したり、幸せになったりしたら、嫉妬をすることなく、素直に祝福の言葉をかけてあげることは「喜」の心である。そして、社員を差別せずに公平に扱うことは「捨」の心である。
このように「四無量心」の思いを持ちながら、従業員に接していけば、自ずと言葉は正されてくる。経営トップは一日を振り返るときに、役員や社員に対し四無量心に反した言葉を発していなかったかをチェックすると反省しやすいだろう。
なお、この四無量心については、社員だけではなく、「お客様への心や気持ち」としても応用できる。上記四無量心の説明文の「他者」を「お客様」に書き換えると、そのままお客様への思いや接し方にすることができる。
また、「正見」や「正思惟」と違って、「正語」は言葉を振り返るので反省しやすい。反省修法が初めての人でも取り組みやすいので、八正道を難しく感じる方は「正語」から始めてみるのも一つの方法である。
<続く>
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