前回は、経営トップの心の四毒の思いが出ていないかを八正道の正思惟にて反省することを述べたが、もっと積極的な方法として、四毒の思いを出さないようにするだけではなく、四毒の反対の思いを出すようにする方法がある。
それは「与える愛や利他の思い」を出し実践することである。執着の真逆の思いを出すことによって、執着を克服する道筋ができるのだ。執着の真逆の思いとは、「従業員を幸福にしたい」と思って経営をしたり、「お客様や社会の幸福に貢献したい」と思って経営を実践したりすることである。心を込めて仕事をすることでもある。社会の繁栄や発展に寄与する製品を開発することでもある。そうした利他の思いを出し、実践することで執着を克服していく方法もある。
ただし、与える愛や利他の思いは、最初は少し意識をしないと出てこないものなので、与える愛や利他の思いがあったかを毎日点検しながら、与える愛や利他の思いを実践する習慣を身につけるほうがよいだろう。
八正道の三番目は、正語(しょうご)である。「正しく語る」、「正しい言葉」だ。
経営トップは株主のようなステークホルダーや、他の役員や従業員に話す(語る)機会がたくさんあるだろう。
仏教的経営成功法では、何を正しく語るかというと、重要な言葉を二種類に絞っている。
それは、「会社のビジョン」と、「従業員への言葉」である。
「会社のビジョン」には、経営理念、基本方針、行動指針などが含まれる。経営トップの頭の中にあった経営理念や基本方針などを言葉にして経営計画書に記載するのである。そして、経営トップは事あるごとに、経営計画書に書いてあることを語っていかなければならない。経営理念はすぐに文字にできないかもしれないが、基本方針や行動指針などは今まで書いていなければ書いた方がよいし、既に書いているものがある会社は、内容を見直すことである。なぜなら、仏教的経営成功法によって、経営トップが自分の心を見つめ、心境が高くなっているなら、当然基本方針や行動指針も変わってくるからである。
また、経営ビジョンはお客様、株主や取引銀行にも語っていかなければならない。中小企業では経営ビジョンを語るのを嫌がる社長もいるが、社長の大事な仕事として「我社は何に貢献していくのか」、「我社は何のために存在しているのか」を堂々と語っていただきたい。
<続く>
※ この論考の著作権は、古賀光昭にあります。無断転載、使用を禁じます。
それは「与える愛や利他の思い」を出し実践することである。執着の真逆の思いを出すことによって、執着を克服する道筋ができるのだ。執着の真逆の思いとは、「従業員を幸福にしたい」と思って経営をしたり、「お客様や社会の幸福に貢献したい」と思って経営を実践したりすることである。心を込めて仕事をすることでもある。社会の繁栄や発展に寄与する製品を開発することでもある。そうした利他の思いを出し、実践することで執着を克服していく方法もある。
ただし、与える愛や利他の思いは、最初は少し意識をしないと出てこないものなので、与える愛や利他の思いがあったかを毎日点検しながら、与える愛や利他の思いを実践する習慣を身につけるほうがよいだろう。
八正道の三番目は、正語(しょうご)である。「正しく語る」、「正しい言葉」だ。
経営トップは株主のようなステークホルダーや、他の役員や従業員に話す(語る)機会がたくさんあるだろう。
仏教的経営成功法では、何を正しく語るかというと、重要な言葉を二種類に絞っている。
それは、「会社のビジョン」と、「従業員への言葉」である。
「会社のビジョン」には、経営理念、基本方針、行動指針などが含まれる。経営トップの頭の中にあった経営理念や基本方針などを言葉にして経営計画書に記載するのである。そして、経営トップは事あるごとに、経営計画書に書いてあることを語っていかなければならない。経営理念はすぐに文字にできないかもしれないが、基本方針や行動指針などは今まで書いていなければ書いた方がよいし、既に書いているものがある会社は、内容を見直すことである。なぜなら、仏教的経営成功法によって、経営トップが自分の心を見つめ、心境が高くなっているなら、当然基本方針や行動指針も変わってくるからである。
また、経営ビジョンはお客様、株主や取引銀行にも語っていかなければならない。中小企業では経営ビジョンを語るのを嫌がる社長もいるが、社長の大事な仕事として「我社は何に貢献していくのか」、「我社は何のために存在しているのか」を堂々と語っていただきたい。
<続く>
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