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仏教的経営成功法 その8

2016.10.21(00:07) 1650

次に倒産原因(c)「放漫経営」及び(d)「お人好し」はどうだろうか。経営トップの観点から見るまでもなく、経営トップの責任に期するものばかりである。

そしてポイントは、この二つは経営トップの心に関係しているということだ。

「放漫経営」は経営トップの慢心が生み出したものである。

正当な自信レベルであれば問題はないが、他人の意見を全く聞くことができず、「俺の判断は常に正しい」だとか「俺以外の考えは全部間違っている」といった心境になっていると、その心は増上慢であり、それは放漫経営に繋がってしまうのだ。あるいは、天狗のような自信過剰までには至らなくても、油断ということもある。特に資金繰りに関し「何とかなる」という油断は倒産に直結してしまう。

なお、「放漫経営」をする経営トップのタイプは、明るく豪快なタイプが多い。中小企業だと、営業力がある社長である。社外の人には物腰が柔らかで、かつ見栄を張ってお金を使うところもあり、他社の社長や営業マンなどには受けがいい。ところが、社内では自己中心的であり、公私混同し、怒りっぽいのだ。怒り出すと、社員や他の役員を傷つける言葉を平気で出すところがある。社屋の特徴としては、社長室や応接室は華美だが、社員が使う事務室は汚い。


経営トップの「お人好し」は一部は「心の弱さ」が出ているところでもある。連帯保証人を断われないところは弱さでもある。また、騙されることは「悪の知見」が足りない面もある。あるいは、ライバル企業から「うちはどうすればいいでしょうか?」と聞かれて、正直に答えてしまうような「お人好し」だと会社は潰れてしまう。「お人好し」で経営をしていはいけないのだ。

なお、こうした経営トップは、えてして真面目なタイプに多い。中小企業だと、財務やお金に疎く、工場などで技術力を発揮するような専門職的なタイプの社長である。


ここまでで、一般的な倒産原因4つを経営トップの視点から考察して、倒産の真の原因を探求してきた。結果、倒産原因の4つは2点に絞られたことになる。

すなわち、(a)「販売不振」及び(b)「外部環境の変化」は主に「経営トップの知識」の問題であり、(c)「放漫経営」及び(d)「お人好し」は主に「経営トップの心」の問題である。


★倒産の二大原因★

(1) 経営トップの心
    ⇒ (c)「放漫経営」 (d)「お人好し」

(2) 経営トップの知識
    ⇒ (a)「販売不振」 (b)「外部環境の変化」



倒産、経営の危機、事業の不振は、「経営トップの心の問題」(大企業においては取締役以上の役員)か、「経営トップの知識の問題」か、あるいはそれら両方の問題によって引き起こされているのである。

事業がうまくいかず、倒産しそうであるならば、経営者の心が”何か”間違っているか、”経営手法に関する見識”が不足しているかなので、その両方を客観的に見ることが必要になる。

では、どのように経営トップの心を見つめればよいか。どのようにして正しい心を探究していくかについて、仏教思想を使って考察する。

<続く>
※ この論考の著作権は、古賀光昭にあります。無断転載、使用を禁じます。
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