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仏教的経営成功法 その7

2016.10.20(21:44) 1649

真の原因を見抜くには、経営の結果は、何を原因として起こっているかを考えるとよい。

経営の結果は全て経営者の意思決定によって生まれたものである。

日々選択の場面があり、その時々で意思決定した結果が現在の事業の姿だ。最終意思決定者は代表取締役である社長である。そうなると現在の企業の状況を決定づけているのは、経営トップである社長ということになる。

松下幸之助氏は「経営がうまくいくかどうかということは、いろいろの事情があるにしても、結局は最高経営者である社長一人の責任だと思います。」と言われている。

では「経営トップに全責任がある」という観点から、先に論じた4つの倒産原因を考察するとどうなるであろうか。

第一の(a)「販売不振」。これは経営トップが、「マーケットは何を求めているのか」を分かっていなかったと言えるのではないか。あるいは、マーケット・ニーズを知るためには、どうすればよいかが分からなかった、知らなかったとも言える。適材適所ができていなかったために売上が上がらなかったこともあろう。自社が攻めるべき地域のセグメントがうまく出来なかったこともあるであろう。営業マンへの方針が徹底されなかったことも原因としてあるかもしれない。

いずれにせよ、販売不振の原因は社員レベルの問題ではない。経営トップのターゲット設定の失敗、戦略ミス、方針の不徹底などが原因として挙げられる。表現を替えると経営トップの見識不足となる。経営トップが、マーケティングや計数管理及びマネジメントの知識を持っていないために経営を誤った例は多い。倒産研究をしていて最も多い印象があるのは、経営に対する経営トップの見識の不足であった。

倒産原因の(b)「外部環境の変化」も経営トップの見識の不足が関係している。増税や法律の改正は事前に知らされることなので、法律の改正によって何が起こるかを予測し、打てるべき手を打つのが経営である。それらが出来なかったとするならば、「環境の変化を読む力が足りなかった」か、あるいは、それらを「考える知識が不足していた」のかが考えられる。外部環境の変化に対応できるように事業構造をイノベーションすることを知らず、現状のままで経営をしていたとすれば、経営トップの責任は重い。

このように(a)「販売不振」も(b)「外部環境の変化」も、経営トップの側から見ると、経営トップの見識が足りなかったことと、それを補う学習なり探究なりが足りなかったことが原因であることが分かってくる。そして中小企業が注意すべきことは、中小企業は大企業に比べ人材等の経営資源が乏しいため、経営トップの見識不足による経営への影響はとても大きくなるということだ。

<続く>
※ この論考の著作権は、古賀光昭にあります。無断転載を禁じます。
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