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仏教的経営成功法 その3

2016.10.19(00:47) 1645

次に「八苦」であるが、一つ目は「愛別離苦」だ。
これは愛する人と別れる苦しみである。
大事に育てた社員、期待していた社員に辞められることを指す。また長年取引をして付き合ってきた得意先や仕入先に逃げられることもあるかもしれない。
経営者が「この社員は裏切らない、このお客様は大丈夫だ」と思っていた人々に去られる苦しみである。


「怨憎会苦」は、嫌な人に会う苦しみだ。
異常なクレーマーの顧客だが、お客様なので大切に接しないといけないので付き合わなければならないという苦しみはあるだろう。
また、親会社に散々厳しい要求をされるが、どうしても断れないということもある。行政の決まりごとで困ることもあるのではないか。
あるいは、社員でも反抗的なものや使いづらいものがいるだろう。物言う株主も対応が難しいのではなかろうか。そうした嫌な人とできれば接したくはないが、どうしても付き合わなければならないこと、そうした苦しみである。


「求不得苦」。これは、求めたものが得られない苦しみであり、ほとんどの人が苦しむものだ。
経営だと銀行に借り入れしたくても、できないことがあるだろう。いい人材が欲しくても応募してくれない、応募しても入社してくれないことはあるのではないか。
また名誉や収入を欲しても得られないことはあるし、高い評価をしてもらいたいと思っても、思うような評価をしてくれないことなど、考えれば山ほどある苦しみである。


「五陰盛苦」は、心身が思うようにならない煩悩による苦しみである。
成功すればするほど、誘惑も増えてくる。男性経営者だとお酒や女性に走るケースがある。社内不倫をしてしまったために家庭が崩壊したり、社員からの信用を失ったりすることもあるだろう。分を過ぎた欲を持ってしまって派手な生活をして失敗してしまう苦しみもある。

以上、仏教用語の「四苦八苦」は、「経営者特有の四苦八苦」があることを説明した。経営者は、普通の人の四苦八苦だけではなく、経営の中にも四苦八苦があるのである。

こうした分類は、苦しみや心という「つかみにくいもの」を客観的に分析するに役に立つ。漠然と苦しみを捉えるのではなく、苦しみの種類や段階を知って内観をすると、より深く自分自身の心を見つめることができるのだ。

まずはこうした経営者特有の四苦八苦について知っていただきたい。

そうして、経営者特有の四苦八苦について考えた私は、倒産の研究に関してもデータではなく、社長の内面が告白されているものを読むことにした。

<続く>
※ この論考の著作権は、古賀光昭にあります。無断転載、使用を禁じます。
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