「和をもって戦う経営」の第二回です。
和の経営というと、年功序列組織を想像されるかもしれません。
しかし、私の考える「和の経営」とは、年功序列ではないのです。年齢に関係なく実力のある人が上に立つことを良しとしています。
では、何が今までの組織と違うのかといいますと、上司には部下への愛があり、部下は上司に敬意を払うところです。
「和の経営」は5つの要素がありますが、まず二つの要素を説明したいと思います。
1.上司は、部下に対する愛があり、優しさと厳しさを兼ね備えた人物であること。【仁】
2.部下は、上司に敬意を払う。又、職位の上下を問わず、相手には敬意を持つこと。【礼】
まず、1から説明をします。
会社の仕事は、ライバル企業との競争の中にあります。甘いことを言っていては、倒産する可能性が高いです。
当然、経営には厳しさが求められますし、日常の仕事にも厳しさがいるでしょう。
そして、厳しさが部下を育てることもたくさんあります。
ただし、「ただ厳しいだけの上司」では部下はついていきません。自分の地位を守るために部下に厳しくあたっていたら、部下の心は離れるでしょう。
厳しい中にも、部下への優しさをもってください。
私はこの優しさを、儒教の五常「仁・義・礼・智・信」の中の”仁”(じん)と見ています。
仁とは、思いやりの心で万人を愛し、利己的な欲望を抑えて礼儀をとりおこなうことです。
優しさと厳しさのバランスが難しいという方もいらっしゃるでしょう。
目安となる考え方をお話します。
a) 部下が知らないことは、教えてあげること。
知らないことは教えてあげないと、本人が知るまでは同じことを繰り返します。特に50歳代以上は、知らないことを教えるということを、意外にできていないのではないでしょうか。
「こんなこと分かっているだろう。常識だぞ。」というのは危険です。
知らないことは”できません”ので、部下あるいは若い方が知らないと思ったら、きちんと教えてあげることです。
ここを怠ると、いつまでも無駄なことが続きます。特に「ゆとり世代」という若手には、細かく教えてあげることです。
「ゆとり世代」について、もう一点付け加えるなら、ある行動が次にどういった結果につながるのか、他にどういった影響を及ぼすのかを教えてあげるのも大事です。
自分の行動した結果が、他にどのような影響を及ぼすのかが分かっていない人は結構います。
例えば、お客様のところに行く集合時間に遅れたら、どういった影響が出るのか、そういったレベルから教えることもあるでしょう。
中高年のビジネスマンからすれば根気のいる話かもしれませんが、若い社員の将来のためにも教えてあげて下さい。
b) 部下が間違っていることは、注意又は指摘をしてあげること。
間違っていることを注意するときのポイントは、怒るのではなく、叱ることです。
怒るのは、感情的になって言葉を発するパターンです。叱るのは、相手を導くために教育的な見地から指摘するパターンです。
怒るのは私情で、叱るのは公憤というイメージですかね。仁の心で相手の成長を願って、間違っているところを注意してあげることがいいです。
c) 部下の失敗は上司の責任である。 部下を責めるのではなく、改善することに頭を使う。
部下がミスをしたり、営業成績が上がらなかったりすることも多いでしょう。それを部下のせいにして部下を責める上司はたくさんいると思います。
でもそれは「和の経営」ではありません。部下が行った結果は自分の責任だと受け止めて、どう改善すればよいか、どうリカバリーするかを考えるのが大切です。
そして、自分の責任として受け止めた上で、部下に失敗した原因を気づかせてあげることも必要です。上司が全部答えを示すのではなく、部下自身に考えさせて、答えを出させるようにするとより良いでしょう。
失敗からただ転ぶだけではなく、教訓を学び、部下の成長にも役立てるのです。その過程で、上司も部下以上に成長するでしょう。これも組織の和を重視した「和の経営」の強みになります。
<続く>
和の経営というと、年功序列組織を想像されるかもしれません。
しかし、私の考える「和の経営」とは、年功序列ではないのです。年齢に関係なく実力のある人が上に立つことを良しとしています。
では、何が今までの組織と違うのかといいますと、上司には部下への愛があり、部下は上司に敬意を払うところです。
「和の経営」は5つの要素がありますが、まず二つの要素を説明したいと思います。
1.上司は、部下に対する愛があり、優しさと厳しさを兼ね備えた人物であること。【仁】
2.部下は、上司に敬意を払う。又、職位の上下を問わず、相手には敬意を持つこと。【礼】
まず、1から説明をします。
会社の仕事は、ライバル企業との競争の中にあります。甘いことを言っていては、倒産する可能性が高いです。
当然、経営には厳しさが求められますし、日常の仕事にも厳しさがいるでしょう。
そして、厳しさが部下を育てることもたくさんあります。
ただし、「ただ厳しいだけの上司」では部下はついていきません。自分の地位を守るために部下に厳しくあたっていたら、部下の心は離れるでしょう。
厳しい中にも、部下への優しさをもってください。
私はこの優しさを、儒教の五常「仁・義・礼・智・信」の中の”仁”(じん)と見ています。
仁とは、思いやりの心で万人を愛し、利己的な欲望を抑えて礼儀をとりおこなうことです。
優しさと厳しさのバランスが難しいという方もいらっしゃるでしょう。
目安となる考え方をお話します。
a) 部下が知らないことは、教えてあげること。
知らないことは教えてあげないと、本人が知るまでは同じことを繰り返します。特に50歳代以上は、知らないことを教えるということを、意外にできていないのではないでしょうか。
「こんなこと分かっているだろう。常識だぞ。」というのは危険です。
知らないことは”できません”ので、部下あるいは若い方が知らないと思ったら、きちんと教えてあげることです。
ここを怠ると、いつまでも無駄なことが続きます。特に「ゆとり世代」という若手には、細かく教えてあげることです。
「ゆとり世代」について、もう一点付け加えるなら、ある行動が次にどういった結果につながるのか、他にどういった影響を及ぼすのかを教えてあげるのも大事です。
自分の行動した結果が、他にどのような影響を及ぼすのかが分かっていない人は結構います。
例えば、お客様のところに行く集合時間に遅れたら、どういった影響が出るのか、そういったレベルから教えることもあるでしょう。
中高年のビジネスマンからすれば根気のいる話かもしれませんが、若い社員の将来のためにも教えてあげて下さい。
b) 部下が間違っていることは、注意又は指摘をしてあげること。
間違っていることを注意するときのポイントは、怒るのではなく、叱ることです。
怒るのは、感情的になって言葉を発するパターンです。叱るのは、相手を導くために教育的な見地から指摘するパターンです。
怒るのは私情で、叱るのは公憤というイメージですかね。仁の心で相手の成長を願って、間違っているところを注意してあげることがいいです。
c) 部下の失敗は上司の責任である。 部下を責めるのではなく、改善することに頭を使う。
部下がミスをしたり、営業成績が上がらなかったりすることも多いでしょう。それを部下のせいにして部下を責める上司はたくさんいると思います。
でもそれは「和の経営」ではありません。部下が行った結果は自分の責任だと受け止めて、どう改善すればよいか、どうリカバリーするかを考えるのが大切です。
そして、自分の責任として受け止めた上で、部下に失敗した原因を気づかせてあげることも必要です。上司が全部答えを示すのではなく、部下自身に考えさせて、答えを出させるようにするとより良いでしょう。
失敗からただ転ぶだけではなく、教訓を学び、部下の成長にも役立てるのです。その過程で、上司も部下以上に成長するでしょう。これも組織の和を重視した「和の経営」の強みになります。
<続く>