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アサヒグループホールディングス、泉谷社長の考え方

2014.06.02(11:46) 1356

先の土曜日に、支援先の社長様から、特別公開講座のご招待を受けました。日本経営道協会様が主催していたものです。

講座では、アサヒグループホールディングス株式会社 代表取締役社長兼CEOの泉谷直木様から、「アサヒのイノベーション~過去・現在・未来~と私の経営の考え方」という題で講義がありました。

非常に参考になる内容でしたので、一部をご紹介させていただきます(なお、この講義を聴きながら、私がメモを取ったものからの紹介になります。文責は古賀にあります。)。

まず簡単にビール業界について、説明をします。

日本のビール類市場は1994年にピークを迎えています。そして、ピークから現在に至るまで市場は25%減少し、ピーク時の4分の3になっています。

泉谷社長はおっしゃっていましたが、この現象は20年前にちゃんと想定できていたそうです。人口減や働く世代の減少などで予測していたのでしょう。

業界が売上を減少させている中、アサヒは7年間伸びたそうです。すごいことですね。

そしてアサヒグループの時価総額は、創立以来最高額になっているとか。それらを成し遂げておられるのが、泉谷社長なのです。

その泉谷社長、確か2007年に社長に就任されたとおっしゃっていたと思います。

社長になったときの「行動」に私は興味を持ちました。

それまでも相当な勉強をされていたと思うのですが、社長になる段に改めて、様々な経営書をかき集めて勉強されたそうです。

コトラーや、ドラッカーや野中郁次郎さんや、ポーターなど、誰でもすぐに手に入るような書物を使って学ばれたようです。

アサヒグループを成功に導いているトップは、簡単に手に入り読める書物を使い、勉強して経営に活かしているということですね。

何が言いたかったかと言いますと、私たちの周りにはそれだけの知識があるということなんです。考える材料がたくさんあるということですね。

「経営者は決して勉強を怠ってはいけないし、学ぶことは力になるのだ」ということを改めて知ることができました。

もっと大切はお話があったのですが、長くなりましたので次回に。

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アサヒグループ、泉谷社長の考え方。 その2

2014.06.05(11:15) 1357

前回に引き続き、アサヒグループホールディングスの泉谷社長の講座からの学びをお話したいと思います。

泉谷社長が社長就任時にたくさんの本をかき集めて勉強されたという話を前回はしました。

ところで、泉谷社長は、幹部社員によく質問されるそうです。「既に起こった未来を発見するにはどうすればいいのですか?」や、「どういう勉強をすればいいのですか」とか、色々と質問攻めに会われるとか。


いつも「分かった。では一つだけ実行せえ!」と言って、教える方法があるそうです。

それは、毎日、新聞の一面のタイトル、なんでもいいので、タイトルの記事を見て、「それを自分に置き換えて考えてみろ」という方法です。

新聞の記事のタイトルを見て、「自分や、わが社や、わが国や、わが業界に置き換えて、毎日10分間考えろ!」ということですね。

例えば、メタボについての記事が出ていたとします。それが自社にどのような影響を与える可能性があるのか。そしてそれについて自分はどう行動すべきなのか、それを考えてみるのですね。

あるいは、法律が改正されるとします。では、ある法律が変わったら、会社に影響はないのか、自分の働き方にも変化は起きないのか、など、自分や会社や国や業界に当てはめて考えてみるのです。

それを泉谷社長は10年以上続けておられるそうです。


私はこの日のお話でたくさんの学びがありましたが、泉谷社長が現在の地位で成功しておられる核の部分はここだと思いました。

一日10分考え続ける習慣を持たれることで、ものすごく感度の高いセンサーができ、市場や世の中の変化をリアルに掴かむことに成功されているのだと思いました。


冗談だと思いますが、社員にこの話をすると3日くらいは続けますが、そのあとは誰もやらないそうです。

アサヒビールに入るような方々ですから、優秀な方が多いでしょうし、三日坊主は冗談だと思いますけど、それでも何年も続けられる人はほとんどいないでしょう。ましてや10年以上続けるなんて、それだけでも非凡です。

私もこの習慣は真似させていただこうと思います。

次回も続きを書かせていただき、終了とします。

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アサヒグループの泉谷社長のお話 その3

2014.06.06(18:49) 1358

アサヒグループホールディングスの泉谷社長の講座からの学びを二度に渡ってお話しましたが、今回が最終回です。

泉谷社長が事業成功の鍵として言われてたことは、「お客様を知りつくこと」と、「それに応じた価値を提供できること」ということでしたね。

特に強調されていたのは、「お客様を知り尽くせるかどうか」、これに尽きるようです。

そして、このことに関し、人材やノウハウがある会社が成功すると話されていました。

おそらくアサヒビールには、お客様を知り尽くせる人材やノウハウがあるのでしょう。

特にノウハウはトップシークレットでしょうね。


ただ、皆様の会社でも、どうすればお客様を知り尽くせるかを、徹底して考えたらよろしいかと思います。

経営コンサルタントの故一倉定さんは、その方法として「社長のお客様訪問」を提唱されていました。

ぜひ参考にされるといいですね。


また、泉谷社長は「厳しい時代は、強いブランドが残る」と言われていました。

それゆえ、日頃からブランドを強くしておくことを薦めておられました。

ブランドは一朝一夕に強くなるものではありませんから、日頃から地道に自社のブランドを強くしていこうとすることが大切だと思います。

とても勉強になる講座で、他にもたくさん内容があったのですが、絞り込んで皆様にご紹介させていただきました。

何かの参考になりましたら幸いです。

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コートジボワール戦と「ネルソン精神」

2014.06.16(15:24) 1359

サッカー日本代表のコートジボワール戦、とても残念な結果でしたね。試合後、様々な人が色々な評論をしていますが、私自身は「サッカーって、本当に難しいゲームだな」と思いました。

ザッケローニ監督の采配に関してもミスが指摘されています。ただ、野球と違って攻守が時々刻々と変わるサッカーの試合で、監督が的確に采配を振ることは難しいことだろうなと思いました。

ワールドカップの大切な初戦というプレッシャーもあるし、4年間一緒に戦ってきた選手やスタッフや、色々な人々の思いも背負っているのでしょうから、戦場のようなピッチで冷静に的確な采配を振るうことが難しかったのかなと推測しました。


さて、私が気になったのはFWの大迫選手とMFの香川選手のシュートがゼロだったこと。

女子サッカーの大竹七未総監督は、「フォワードはとても入らないような状況でもシュートを一本打つと違ってくる。それでリズムが出来てくるので、とにかく一本打ってほしかった。相当緊張していたのかなと思う」というようなことをテレビで話されていました。


私がこれを聞いて思い出したのが「ネルソン精神」です。ネルソンは英国の海軍士官で、ネルソン精神とは「見敵必殺」(けんてきひっさつ)を意味します。

つまり、「敵を見たら、自分の損害とか、その場合の攻撃の適不適を考えずに、とにかく徹底的に攻撃し続ける」ことです。


ネルソンの時代の海戦では、砲煙が濃く、正しい砲撃をしているのかどうか、艦長にも分からなったようです。

それゆえ、ネルソンは各艦長に「敵を見たら攻撃し続けろ。そのほかのことは考えるな。的に砲撃し続けている限り、その判断は一番正しいのだと私は評価する」と言ったそうです。

そして実際にこのネルソン精神でトラファルガーの戦いにおいてフランス艦隊を撃滅させています。

とにかく生きるか死ぬかの戦場では「躊躇したら負け」なんでしょうね。


航空参謀の源田実氏は「日本がアメリカに敗れた理由は、日本海軍がネルソン精神を忘れたことにある」と渡部昇一先生に話したそうです。日露戦争までの日本海軍にはネルソン精神が生きていましたが、第二次大戦ではネルソン精神を引き継いだものがなく、腰が引けたような戦いをしたということですね。
 

フォワードの選手や前列の選手は「ネルソン精神」で行ってもらいたいですね(敵肉体への攻撃ではありませんよ)。

とにかくゴール(敵艦)が見えたらシュート(大砲)を打つ!

入らない状況でも、一本打つ! 打って打って打ちまくる!


まだ予選は終わっていません。

サッカー日本代表に期待したいと思います。

頑張れー!日本代表!

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本田圭佑選手が語った「日本は本当にいい国」

2014.06.19(16:32) 1360

いよいよ明日の朝、サッカー日本代表がギリシャと戦います。私はあっと驚くような展開が起き、日本が大勝利するような予感がしています。きっと、あのコートジボワール戦は、日本が逆境から這い上がるザックジャパンの”演出”だったと言われるようになると期待しています。

さて、Facebookに2年前、本田圭佑選手が語った内容がシェアされていました。

【今、改めて読んでほしい】本田圭佑が語る日本の政治

良い内容でしたので、一部だけ転載させていただきます。


以下、引用です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日本は本当にいい国だとあらためて思う。

モノのクオリティー、サービス業、すべてにおいてディテールにこだわっている。ここが何につけてもアバウトな外国とは違う。

これはオレの価値観が日本人寄りだから、という理由ではないと思う。外国人だって日本のサービスを受けたら絶対にいい思いをするはず。その点で、日本は世界トップだと認識している。外国に出てから、日本の良さを感じるようになった。

それと同時に思うのは 「これを築いたのは誰なんだ?」ということ。
オレたちではない。こんな裕福な今日(こんにち)の日本があるのは、先代の人たちの頑張りのおかげだと思っている。

オレたちは、彼らが頑張って汗水たらして残していってくれたもののおかげで生活できていると思う。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
引用ここまで。



この後も、本田圭佑選手が愛国心のことに触れるなど、興味深い内容を語っています。

以前のブログで韓国船事故について書いたとき、「日本はやはり韓国とは全然違う国だな」と思うことを述べました。本田選手ではありませんが、日本はやはりいい国だし、すごい国だと思います。


ピーター・ドラッカーさんは、「すべての文明、あるいは国の中で日本だけは目よりも、心で接することによって理解できる国である」と言っていたそうです。

ドラッカーさん、さすがに鋭いですね。


表に現れているところだけではなくて、それを生み出している”精神性や日本人らしさ”に、他国にない「輝くような宝」があるのでしょう。

おそらく、その宝は”世界の宝”だと思います。

「よくぞ、このような素晴らしい国や民族がいてくれたものだ」と、世界が思うときがくるような気がしています(ドラッカーさんは早くに気づいていたのですね)。

私も先代の人たちに負けないように頑張って行きたいと思います。

本田圭佑選手、サッカー日本代表の選手、頑張っていきましょう!

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スペイン敗退と米西戦争

2014.06.20(17:45) 1361

サッカー日本代表のギリシャ戦、大変残念な結果でした。見ていた私でも悔しかったので、やっていた選手やサブのメンバーはもっと悔しい思いをしたでしょうね。

やはり勝負事というのは難しいものです。

前の日には前回王者のスペインが1次リーグ敗退となっていました。

スペインというと、サッカーではなく実際の戦争でアメリカと戦ったことがあります。日露戦争前の米西戦争ですね。司馬遼太郎さんの『坂の上の雲』第二巻に詳しい説明が書かれています。

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アメリカの艦隊とスペインの艦隊が打ち合っているんですけど、興味深いことは、スペインの艦隊は戦闘力を失うような砲撃を受けていないのに敗北していることです(戦争はアメリカの勝ちで終わっています)。

スペイン艦隊は、戦意喪失して自ら岸へのりあげたのだろうと、秋山真之は推測しています。

日露戦争で日本海海戦の作戦を立てたと言われる秋山真之は、この米西戦争を観戦武官として、実際の戦争を見て、詳細な記録を残しています。

勝敗を決した様々な要因を分析をしているのですが、その中で”士気”について書いています。


「スペイン軍人は風紀敗頽(はいたい)して、開戦のときにはすでに元気が衰耗していた。さらにスペイン人の固有の気質として、ラテン人種の民族的遺伝によるものか、一時に熱中してもただちに冷えるというこまった性質を共有している」と記しています(司馬遼太郎著、『坂の上の雲』 第二巻、文春文庫)。


スペインの艦隊はたいして砲弾が当たっていたわけではないのに、簡単に負けてしまったのは、こうした士気が大きく影響したのでしょうね。

戦争は勝ち負けがはっきりと出るので、戦争の教訓というのは経営においても参考になりますし、サッカーのようなスポーツにも通じるものがあると思います。

(秋山真之の米西戦争の分析は、ランチェスター戦略のさきがけとなるような理論だと思います。ランチェスター戦略より15年ほど前に書かれているところも凄いところです)

やはり士気は大事です。

組織の士気を自由自在に操れるような人をカリスマというのでしょうが、誰もがカリスマにはなれないので、経営者はどのようにすれば士気を高められるか、組織のベクトルを一致させられるかを考えなければいけませんね。


とにもかくにも、サッカー日本代表は、まだ終わっていませんよね。

体力的にも精神的にもつらいでしょうが、最後の最後まであきらめないで戦ってほしいと思います。

戦いは、あきらめた方が簡単に負けるものですから。

頑張れ!!日本代表!!

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日本のサポーターと日本人の凄さ

2014.06.22(14:54) 1362

ワールドカップで日本のサポーターが、試合終了後にゴミ拾いをしていることが賞賛されていました。野球場では見られない光景ですね。昔、甲子園ではゴミを拾うのではなく、「ゴミを投げる」人をよく見ましたが。。。。

ゴミ拾いと直接関係がある話ではないのですけれども、最近よく私が触れています『坂の上の雲』(司馬遼太郎著)に、興味深いことが書いてあります。

それは日清戦争でのことで、清国艦隊と日本艦隊が戦争を行うときの話です。

日本艦隊の主力は巡洋艦であり、一方の清は本格的な戦艦を持っていました。列強の海軍のほとんどの専門家が清国艦隊が勝つであろうと予測していました。

ところが、日本の全面的な勝利を予想した専門家がいます。米国海軍の少将ジョージ・E・ベルナップです。

ベルナップは日本通であり、次のように寄稿しています。


「日本人の素質を知るには過去千年のあいだの日本歴史を知る必要があろう。それによって、この民族における献身的武勇と戦略的才能、それに英雄的行動がいかにすぐれているかを知ることができる。その歴史は英国史もしくはヨーロッパの各国史といささかの遜色もない」(『坂の上の雲』第二巻)


分かる人が見ると、分かるのでしょうね。日本人の凄さが。

今、反日の国が、日本をおとしめようと「日本人は悪い民族だ」ということを宣伝しています。

本当に日本に勝つつもりなら、日本や日本人の凄さを学んだ方がいいと思うんですけどね。学んだ上で、それを超えていくことを考えた方がいいと思いますけどね。

それが勝つ方法だと思います。


いくらネガティブな宣伝をしても、きちんと”事実を探求”すれば、いずれは「真実」に気づくと思うんです。真実に気づいた時の精神的なショックの方が大きいと思いますけどね。

東日本大震災のときの日本人の様子を見たり、サッカーのサポーターの様子を見たり、日本に来て日本人を見たりしたら、「あれ、日本人って、極悪民族ではなかったのか??そんなはずはない。おかしい!」ってなるんでしょうけど、やはり真実は隠せないものですし、光るものは”光る”と思うんです。

日本人は、日本の歴史とその精神性にもっと誇りと自信を持つべきなのでしょうね。


(昔の甲子園球場に外国人が行ったら、「やっぱり日本人はひどい民族だ」と思うかもしれません(笑)。最近は甲子園に行けないので、どうなのか分かりませんが。)

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2014年06月
  1. アサヒグループホールディングス、泉谷社長の考え方(06/02)
  2. アサヒグループ、泉谷社長の考え方。 その2(06/05)
  3. アサヒグループの泉谷社長のお話 その3(06/06)
  4. コートジボワール戦と「ネルソン精神」(06/16)
  5. 本田圭佑選手が語った「日本は本当にいい国」(06/19)
  6. スペイン敗退と米西戦争(06/20)
  7. 日本のサポーターと日本人の凄さ(06/22)
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