fc2ブログ


タイトル画像

ドラッカーと一倉定、そしてネクスト・ソサエティ  最終回

2011.11.12(00:01) 937

「ドラッカーと一倉定、そしてネクスト・ソサエティ」と題して9回に渡って書いてきましたが、今回が最終回です。

今までの内容を三点にまとめておきます。

1.中小企業はドラッカーよりも、一倉定さんの経営理論を参考にすると良い
  (従業員数500人未満が目安)
  ただし、インフレ時代の理論なので、いくつか考慮すべき点はある。

2.日本のネクスト・ソサエティ(次の社会)はデフレが基調であるので無借金経営を目指すべきである。(ただし、世界大恐慌などが起きる局面では、資金余裕を持つことを優先して長期借入金を早めに借りておくようにする)
  外注や外部専門家、アウトソーシングを使って固定費を下げるのも一つの方法である。

3.ネクスト・ソサエティはバラ色の未来ではなく、ギスギスした社会だと予測される。
  それは少子高齢化社会であり、知識社会であり、競争社会である。


さて、ネクスト・ソサエティでは、誰もが勝者になるチャンスはありますが、同時に誰もが簡単に敗者になる社会でもあります。

自分の考える成功が一つしか無い、「これだけが自分の成功だ!」と思い込んでいる人は、つらいと思います。

人から尊敬される地位につきたいとか、お金をたくさん稼ぎたいとか、色々な目標なり欲はあると思うんです。それはそれで必要な部分はあると思いますが、もしそれが達成出来なかったとしても、「自分の人生はダメだ」とか、「自分は人生の敗者で終わりだ」などと思い込まないでいただきたいのです。


経済的な成功を得ることは尊いですけど、仮に経済的な成功を得ることができなくても、それはそれで立派な人生を生きていくことはできるのです。

会社で成功しなくても、家庭で良き父、良き母であることはできるでしょう。良き子ども、良き兄弟であることもできるでしょう。地域のボランティアでお年寄りや子供たちのお役に立つこともあります。あるいは、会社内で後輩社員の良き相談相手になることだってあるんです。

高度な競争社会で、競争に破れて降格されたり、左遷されたり、場合によってはリストラされることだってあるでしょう。後輩が上司になって、アゴで使われることだってあると思います。


でも、流れが変わることもあります。人はちゃんと見ていますので、またチャンスが訪れることもあると思います。

仮にスポットライトをまた浴びたいと思っていて、それが達成出来なかったとしても、自分だけの人生、自分だけが経験した人生は尊いものです。ある意味、宝物です。

辛い経験をしながら、他人への思いやりが深まったり、人の痛みが分かったりするようになります。
決して捨てたもんではありません。


どのような境遇になろうとも、歯を食いしばって生き筋を見つけて行ってください。

私はそうした生き方自体が「光かがやく人生」だと思います。


<完>

世界を変える若き企業家たちへ



2011年11月12日
  1. ドラッカーと一倉定、そしてネクスト・ソサエティ  最終回(11/12)