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ドラッカーと一倉定、そしてネクスト・ソサエティ その8

2011.11.10(13:08) 935

ネクスト・ソサエティへの備えの基本になることは、政府(政治)や行政を当てにしないことです。国や市の公共機関が何かやってくれることを前提に考えるのではなく、自分達の力で生き筋を見つけていく(自助努力)考えを持つことだと思います。

といいますのも、政治は今後大きな政策判断を間違える可能性があります。また、税収が減っていくと予測されるので、満足なサービスやセーフティーネットがどこまで出来るか分かりません。

それゆえ、ネクスト・ソサエティでは、うまく行かなかったときに「たまたまセーフティーネットがあった、儲けもの」、位の考えで丁度いいと思います(現在の日本ではセーフティーネットは様々にありますから、手はあります)。


要するに「自分達で生きる道を切り開く意志が、知識社会であり、少子高齢化社会のネクスト・ソサエティでは必要である」ということですね。


『中小企業白書』によると企業の廃業率は6.2%です。「会社の寿命」は平均16.6年になります。おそらく、これからは更に企業の寿命が短くなるでしょう。

逆に年金を貰える額は減り、貰えるようになる年齢も上がっていくので、「労働者としての寿命」は70歳や75歳までに伸ばさなければならなくなるでしょう

20歳くらいから働くとして、50年以上何らかの仕事をして収入を得なければ生活ができないわけです。

今、どこかで働いて収入があるの人も安穏としていてはだめです。

45歳未満の人は、今の会社がそのままの姿で残って、65歳まで同じように働けると考えないほうが良いでしょう。倒産したりリストラがあったりして転職をするなり、雇用形態が変わるなり(契約社員など)、非常勤やパートタイムの掛け持ちを経験する人の方が多くなるでしょう。

仮に運が良くて定年の65歳まで職がある人でも、その後10年ほどは数社を渡り歩いて仕事をしなければならなくなるのです。


「とにかく働くことが好きだ!」という人はいいです。でも、そんな人ばかりではありません。

そこで大切になってくるのは人生観や価値観です。

自分自身がしっかりとした価値観や人生観を持って、それに基づいた働きを続けないと良い仕事もできませんし、仕事自体が苦痛になるでしょう。生きていくことも苦痛になるはずです。

「自分が何によって貢献していきたいのか、何がしたいのか」に“素直に従って仕事をしていくべき”だと思います。自分が価値を感じるものに対して知識を得ることを惜しまず、努力を続けていくことです。

そうでなければ、年齢を重ねて仕事を変えて働いていくことはできません。



そしてネクスト・ソサエティ全体でも、大事な価値観を人々は共有すべきだと思います。

それは、「相手をわかってあげる」ことです。「理解してあげる」こと「分かり合うこと」です。

自分の周りに見える他人には色々な事情や家庭環境を抱えて人生観を持って生きています。その相手の気持ちや考え方を分かってあげること、理解してあげることが、とても大切だと思います。

それは相手を全て肯定して、反対に自己否定するという意味ではありません。
場合によっては、相手を理解した上で注意をしたり、叱ったりすることも必要です。

自分自身に対しても尊い思いは持ちながらも、相手をことを分かってあげた上で接していくことです。

それがギズギスした競争社会を少しでも緩和する価値になるのではないかと私は思っています。


<続く>

世界を変える若き企業家たちへ



2011年11月10日
  1. ドラッカーと一倉定、そしてネクスト・ソサエティ その8(11/10)