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ドラッカーと一倉定、そしてネクスト・ソサエティ  その5

2011.11.07(22:31) 930

前回は、日本のネクスト・ソサエティ(次の社会、未来社会)はデフレ社会である。デフレではインフレとは違う戦略を取らなければならない。その一つに銀行から借入があり、ネクスト・ソサエティでは借入をしない経営が求められるのではないかというお話をしました。

実はこの考えは新しいものではなく、1998年に出版された『稲盛和夫の実学』にも書いてあります。読まれた方は「土俵の真ん中で相撲をとる」という稲盛和夫さんの言葉を覚えておられるかもしれません。

稲盛和夫さんは松下幸之助さんの「ダム式経営」と同じ考えで無借金経営を考えておられたようですね。

インフレの時代にはたくさんお金を銀行に借りて、事業を広範囲に拡大していくのが上策だったと思います。
しかし、デフレの時代には借金をすることは、あとあとボディーブローのように効いてきます。

すぐに無借金経営は難しいとは思いますが、稲森さんが「どうしても無借金経営でなければならない」と思って無借金経営を実現したように、ネクスト・ソサエティに経営をする社長の皆様も、無借金経営を少しずつでも進めていただけたらと思います。

特に来年以降は“世界大恐慌”の恐れがあります。売上が半減することがあるかもしれません。

そんな時に強いのは「お客様を持っている会社」はもちろんですが、もう一つは「キャッシュ」を持っている会社です。お金、資金をたくさん持っている会社が強いです。

儲かっている会社も節税のためにとはいえ、キャッシュアウトをなるべくしないようにして下さい。税金を払っても、その方が少しでも会社に内部留保が残るようでしたら、税金を払うことを考えて下さい(生命保険やリースを使う節税は「キャッシュアウト」が伴います。)。

稲森さんが言われた「キャッシュベース」の経営が、ネクスト・ソサエティの経営の姿になると思います。


さて、そのためには、中小企業は外部の専門家をうまく使うのが良いでしょう。

中小企業では、経営企画や財務部門の専門家を雇う余裕が無い所が多いと思います。

いや、逆に雇わない方が良いでしょう。

経営企画や財務の人間は社内に常駐する必要はないわけですから、週に一回や二週間に一回、社内に来てもらう、あるいは困ったときに連絡して来てもらうか、対応してもらうような形でアウトソーシングすると、人を一人雇うよりもコストが安くなります。

変な話ですが、人を雇うと辞める心配がありますし、ハズレを引いた時のリスクもあります。両方にリスクがありますから、アウトソーシングを上手に使って「ダメなら即解約して別の会社に」当たれば良いのです。

ネクスト・ソサエティでは、外注(アウトソーシング)の使い方がポイントになります。

本当に“会社に”必要な部門と人だけを雇うようにして、あとは全て外注できないかを検討してみてください。

きちんと計算すれば、外注か内製か、どちらがキャッシュ上有利か分かります。計算して比較の上、判断するようにしてくださいね。

これからはなるべく固定費をかけず、キャッシュをたくさん持つことがポイントだと思います。


ただし、専門家といっても、確定申告書を作るだけの税理士さんのような専門家ではだめです。節税も方法が限られていますし、税務署と見解が相違すれば、結局は税金は取られるので、節税に詳しい税理士さんといっても、あまり当てにしない方がいいでしょう。

経営の発想がある人、財務の考えが分かる人に頼むべきです。お金の正しい使い方が分かる人に頼むのが良いでしょう。


<続く>

古賀光昭のビジネス相談



2011年11月07日
  1. ドラッカーと一倉定、そしてネクスト・ソサエティ  その5(11/07)