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[英語の歴史6] 北ドイツの方言から近代英語への道

2011.09.22(00:01) 898

ゲルマン語系の英語がノルマン・コンクエストを経て公式の場で使われるようになり、英語の復権が起きると、それまでフランス語を話していた人が英語を話しだすようになりました。

そうすると何が起きたかといいますと、英語を話しているときに固有の英語が浮かばないときに、フランス語を使うようになりました。

そのために、英語の語彙に大量のフランス語が入ってくるようになります。これをフランス語からの借用語といいます。

英語にはどれくらいの外来語があるかといいますと、全語彙の約65%も占めています。その内のほとんどがフランス語あるいは、フランス語を通じて入ってきたものです。

ただし、基本的な動詞、代名詞、接続詞などはゲルマン語系のものですから、使用頻度は圧倒的にゲルマン語系の単語(大和言葉ですね)が高いのです。

シェイクスピアは一説には25,000語を駆使したと言われていますが、ゲルマン語系の言葉を86%の割合で使っています。

シェイクスピアはフランス語からの外来語を上手に使いながら、ゲルマン人の心に響くゲルマン語系の単語を使っていたのですね。

また、1200年ころから1600年ころにかけて英語は言語的大変化を遂げています。

それら北ドイツの一方言であった英語の文法が全く違ったものになったことです。

元々英語にはドイツ語のように語尾変化がありました。それが全く語尾変化をしなくなっているのです。

またドイツ語では文法的性として、すべての名詞は男性、女性、中性のいずれかになりますけど、英語も同じようにそれぞれの単語に文法的性がありました。何が男性名詞か、女性名詞か、中性名詞かを覚えなければなりません。

新しく英語を話す人や学問を好まない人には大変な負担です。それらが消失しています。

その他にも色々とあるのですけど、要するに英語はどんどん安易に話せるように変化していっったということですね。

1例ですけど、英語では定冠詞はthe一つですね。ところが、元々の英語は定冠詞が16種類に変化していたのです。名詞ごとに、どの性かを覚え、それに格変化を覚えて使い分けるだけでも大変です。

おそらく複雑な文法をなるべく簡単にしていったのでしょう。

そして文法規則にとらわれることなく、自由に英語を書いて、近代英語の源流になった人がシェイクスピアなんです。

<続く>

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2011年09月22日
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