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富の源泉とは? 後篇

2011.05.18(16:58) 800

昨日の続きです。少し難しい内容になって申し訳ありません。ただ、知識社会への流れの中で、知識創造については、どうしても一度は書いておかないといけない内容だと思い、あえて書かせていただいています。


さて、暗黙知が貧困であると、形式知に変換をしても質の高い形式知になりません。
知識創造においては、暗黙知の質の高さがポイントになります。

では、どうやって暗黙知の質を高めるか。企業は組織にその方法論を持っていないといけません。

その方法について野中郁次郎さんは、「質の高い経験を絶えず個に与えていく」ことだと言っています。
(参考『日本企業の力量』(山下義通著、対談野中郁次郎、ダイヤモンド社、1996年)

一番いいのは、社内で手本となる人(野中さんは「プロトタイプ・リーダーと呼んでいます)のところに意識的に人を配置することです。

私も経験がありますが、「あの人の下で働いた時が一番力がついた。」という人がいると思います。そうしたプロトタイプ・リーダーの元で一度仕事をさせるような人事のローテーションを行う方法です。


また、特定の職務を全員に経験させるのも良いでしょう。将来の配属先に関わらず営業を全社員が経験するとか、工場生産を全員が経験するといった方法で、コアスキルを全員が体験する方法です。

体験後、仮に経理に配属されても、営業や工場のメンバーを暗黙知のレベルで理解できることもありますし、経理の暗黙知と形式知(会計処理など)を、他部門の暗黙知と結び付けて知の拡大(業務改善)ができることもあります。


しかしながら、会社以外での体験もつまなければ暗黙知は豊かになりません。

野中さんは「一流のヒト、モノ、作品に接すること」と「旅をすること」を薦めています(前掲書)。

良い絵を見る、良い音楽を聞く、そして旅行ですね。
旅行は日常の感覚が一旦リセットされますので、旅行の体験によって暗黙知の幅が広がると思います。
それと、文学書、哲学・宗教書のような書物を読むと良いでしょう。

また遠くに行かなくても、近場で景色がいいところで軽く瞑想するのも良いのではないでしょうか。

海、川原、公園、山、湖などで、「あー景色がいいなー」と思える所で、何も考えずに鳥の声を聞いたり、水の音を聞いたりするのも良いと思います。


現在の社会は、知識が富の源泉です。富を豊かにするには、知識を豊かにする必要があります。

そして、知識創造には暗黙知の質を高めることが大切です。
その仕組みを企業経営に組み入れることが経営者には求められています。

貴社における知のダイナミックな創造を期待しています。

古賀光昭のビジネス相談



2011年05月18日
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