fc2ブログ


タイトル画像

命あるうちに愛を伝えよう

2009.10.16(00:01) 160

私は若い人に「好きな人がいるんですけど、どうしたらいいでしょうか?」と相談されたときには、すぐに自分の気持ちを伝えるようにアドバイスをしています。

愛している人がいるなら、今すぐ「愛しています」と言うべきだし、お礼を言わなければならない人には、今すぐ「ありがとう」と言うべきです。

なぜ、私がこのようなことを人に言うかといいますと、お礼を言うべき人を、突然亡くしたからです。


お礼を言いたかった人というのは、父です。

父は61歳のときに亡くなりました。交通事故でした。その時、私は31歳でした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ある会社に入った私は、金曜日の帰宅前に役員の上司から呼び出されました。

「君を係長に昇格するように社長に推薦しておいた。社長も了解してくれたよ」

サラリーマン生活に不慣れだった私は、係長がどういう役割のものかを分かりませんでした。ただ、入社して早々に昇格するのはスピード出世だということを上司に教えていただき、とても嬉しかったのを覚えています。

家に帰り、父にそのことを話すと、とても喜んでくれました。私は大学院の後にすぐに就職をしなかったですし、その後新卒で働いた会社もうまくいかなかったので、父は非常に心配していたのですね。

こいつは将来どうなるんだろう」というのが父の本音だったと思います。

そんな中やっと順調に働きだした会社で昇格したので、父は余計に嬉しかったのでしょうね。


私もそんな父を見て、恥ずかしながら生まれて初めて親孝行をしようと思い、会社の近くのちゃんこ鍋屋に食事を誘ったんですね。

父も息子に初めて食事を御馳走してもらえるということで、感激していたんだと思います。二つ返事で行こうということになりました。

父母と私達夫婦と1歳の子供と兄夫婦の7人で食事に行くことにしました。車には全員乗りきらないので、私と兄が電車で行き、父が母や家内らを車で連れて行くことにしました。


私と兄で、待ち合わせ場所に先に行き、皆が来るのを待っていました。ほどなく、母と家内と息子、兄嫁がやってきました。父は車を停めに行ったということでした。

それから30分待っても父が来ません。

「おかしーなー」と思って待っていたんですが、1時間経っても来ないので、何か急用ができたんではないかと思いました。当時は携帯電話がなく、連絡が取れなかったんですね。

とりあえず予約をしていたので、店で待っていたのですが、いっこうに父は来ません。

どうにも状況が分からないので、家に帰ることにしました。



家に着いて、しばらくすると兄から電話がありました。

留守番電話に消防署からメッセージが入っていたと。父が交通事故に会い、病院に運ばれているので来てほしいとのことでした。

びっくりしましたが、ま、バイクとの接触と聞いたので大事はないだろうと高をくくっていました。

そして、朝の4時に病院にいる兄から家に電話がかかってきました。

「気をしっかり持って聞けよ。脳挫傷(のうざしょう)で、脳がだめらしい。」

「まさか!そんな!・・・・」

私は目の前が真っ暗になり、立つことができず、その場に座り込んでしまいました。


(続く・・・)

世界を変える若き企業家たちへ



2009年10月16日
  1. 命あるうちに愛を伝えよう(10/16)