世界を変える若き企業家たちへ

三国志の話からしましょう。

三国志の赤壁の戦いで、曹操の魏は呉・蜀の連合軍に大敗するのですが、曹操を始め、有名な武将はちゃんと生き延びています。
このときの孔明を見ると、わざと生かしたのではないか、わざと逃がしたのではないかと思われるのです。

といいますのも、呉が魏を滅ぼすようなことがあれば、蜀と呉が真っ向から対立することになり、蜀は滅亡することが明らかだからです。蜀の戦略的なポジションは魏と呉に緊張関係があって初めて成り立つものだったと言えるでしょう。

それゆえに、孔明は曹操の息の根を止めなかったのではないかと、いや止められなかったのではないかと思われるのです。


さて、少し視点と変えまして、ビジネスにおいても必要以上に勝ちすぎないということを述べたいと思います。

みなさんも日々のビジネスで、顧客及び取引先と、交渉・駆け引きなどを行っておられるでしょう。
上司と部下の間柄でも、一見勝負のような局面もあるかもしれません。

そこで申し上げたいのは、自分が勝てる場合、有利な立場の場合でも、相手を必要以上に追い詰めない、勝ちすぎないということです。

人は極端に追い詰められると、思わぬ行動に出て反撃をしたり、恨みに思って後々に復讐したりすることがあります。

取引先にコストダウンを無理強いしていませんか。
パワハラと言われても仕方がないくらいに人を責め、追い詰めていませんか。

しかし、「窮鼠猫を噛む」ということわざもあります。相手を追い詰めすぎてはいけません。
相手に逃げ道を作ってあげることです。

ビジネスの世界は真剣勝負です。甘いことを言っておられないのは理解しています。

しかし、相手が自分より弱い、打ち負かせると思っていても、どこかに逃げ道を作ってあげましょう。

それが長い目で自分を守ることになるでしょう。